2006年01月14日

沖縄口2

流れゆる水に  桜花うけて
色美らさ(いるじゅらさ) あてど 掬くて 見ちゃる
                      遊里の歌人 吉屋チルー



通常1月下旬から沖縄島北部で開花し始め、沖縄島南部では1~2週間遅れて咲く。




首里のわが工房の桜は、米粒ほどの蕾です。


さて、前回の出題の解答からまいりましょう。

○犬 イン   
琉球語には日本後には少ない「ン」で始まり、「ン」で終わる言葉はたくさんあります。
昔(ンカシ)、銭(ジン)がそうです。
「ン」で終わっても、「ン」で始まる言葉のしりとりもできます。

○猫 マヤー
沖縄民謡には「与那国ぬマヤー小(ぐぁ)」があります。
「底の家の犬と中の家の猫が太陽の橋へて・・・・」テンポのいい唄です。

○豚 ウァー
この発音は大和人の100人のうち90人、今の沖縄の若者たちも「ウァー」と「ワー」の中間の鼻濁音に似た、微妙な発音はできません。

○あかとんぼ アーケージュ
羽のように美しい着物はアーケージュの羽の美ら着物(ちゅらじん)など表現されます。

○蝶 はべる
神の使者ともいわれ、古式の婚礼指輪の七つ飾りのひとつ。紅型の模様にもみられます。

○蛙 アタビ
私の父が言いました。「冗談がすぎると、技は蛙のように口から飛び出してしまう」と諭されました。

犬(イン)、猫(マヤー)、豚(ウァー)、あかとんぼ(アーケージュ)、蝶(はべる)、蛙(アタビ)

沖縄口と大和口の、この発音の違い、語源の違いはタイムスリップして検索しても解答は得られそうにありません。

さて、おなじみの挨拶言葉はどうですか。

○ぐぶりーさびたん  失礼します
○めんそーれ     いらっしゃい
○にふぇーでーびる 有難うございます
○ちゃーびらさい   ごめんください
○はいさい       こんにちは

うちの工房の職人3人は言えます。うちの子供たちは舌たらずで言えます。

今週の沖縄口(うちなーぐち)編。
おしまいは私の好きな黄金言葉(くがにくぅとぅば)をご披露しましょう。

○余い不足  あまいぶすく

反語みたいな言葉ですが、5文字で人生訓を言い当てて妙です。
富めるものには富めるゆえに心にかけるものがあり、飽食は偏食になりがちです。

○慌てぃるなぁか よーんなぁ
よーんなぁは、ゆっくりの意味。
急がばまわれ。銀細工もこの諺が工程にあてはまります。まさに金言です。
ひと打ちごとに全体を見、全体を見て、ひと打ち。
この繰り返しです。



銀細工ではシンプルは普遍のテーマです。  

Posted by 風音 at 14:23Comments(0)TrackBack(0)沖縄口

2005年12月10日

沖縄口(うちなあぐち)

沖縄人(うちなんちゅ)は沖縄口(うちなあぐち)を方言と呼ぶことを好みません。本土の一地方の方言ではなく、英語や中国語のように独立国の独立語として自らを認めているのです。
その誇り高き沖縄口(うちなあぐち)も、今から75年前には学校で方言を使ったら、それをいましめる罰として方言札を首から吊り下げられるという屈辱の歴史があるのです。今は沖縄を象徴する文化として大事にしています。そして、日々衰退していく沖縄口(うちなあぐち)をもう一度よみがえらせたい、母親(あんまあ)、祖母(はーめー)たちが子や孫に織った着物をもういちど身につけたい想いで、ゆたかなひろがりを願っています。
琉球民謡が北海道でもきかれて、琉球舞踊が東京のひのき舞台で観られるようになりました。その夢も現実のものです。

沖縄言葉を一つ一つ拾ってみて下さい。なかなか味わい深い(味くぅたぁ)ものですよ。


 東はアガリ、西はイリ、北はニシ、南はフェ

太陽の昇り、沈みをみるおもいです。


では1から5までの単純な数字を沖縄口で言ってみましょう。
 1   2   3   4   5

工房の大阪生まれ育ち妹弟子はさすが金細工(かんぜーくー)すらすら言えましたよ。

 てぃち   たーち   みーち   ゆーち   いちち



ではこれはどうですか?

 1.今日 2.明日 3.明後日 4.しあさって 5.昨日 6.一昨日

この日用語は私も言えました。

 1.ちゅー 2.あちゃー 3.あさてぃ 4.あさてぃぬなーちや 5.ちぬー 6.うってぃー


さて動物や昆虫はどうでしょう?

 1.犬 2.猫 3.豚 4.あかとんぼ 5.蝶 6.蛙

これは出題にしましょうか
答えは次回の沖縄口講座で?


豚を発音したら、この人は大和人(やまとんちゅ)、沖縄人(うちなんちゅ)ではないとすぐ聞き分けれます。沖縄口の面白さです。


日めくり暦もあと22枚。気忙しい師走です。
遠い幼い月日を呼びもどして沖縄の童謡を歌ってみませんか?


  ♪とーとーめーさい とーとーめー

   うんじゅう まーかい

   めんせーが

   西ぬ海かい ガニ小(ぐあ)取いが

   わんねー 行ちゅん

   ガニ小取てぃ ぬすが

   我うないに 呉(くい)ゆん

   汝(いやー)うないや誰(た)やが

   十五夜 お月




(訳)お月さま お月さま

   あなたはどこへ

   いらっしゃるのですか

   西の海へ蟹を取りに

   私は行きます

   蟹を取って何をするのですか

   私の妹にあげるのさ

   あなたの妹はどなたですか

   十五夜お月さんですよ




  月桃の実 サンニン


  蝶 ハベル


  花 ハナ


  芭蕉の葉 バサー


  魚 イユ  

Posted by 風音 at 14:08Comments(2)TrackBack(0)沖縄口