ジーファー
先週、沖縄市から、いつか作る人に会って、作る人の手もとでじかに見たいとジーファーを買いにお客さんがみえました。匿名希望なので、”美里さん”と呼びます。
うりざね顔が貴族、小ぶりの丸顔が庶民のジーファーです。いずれも女性を象徴したもので、世界に類をみない形です。
美里さん「貴族のものはすらっとして、普通の人のものはころっと可愛いですね。
髪に優しそうですね。私に一本作ってください。」
私 「喜んで、と言いたいのですが、手もとになく、何本か約束があるのでいつになるか…。」
美里さん「髪にさしていいですか」
豊かに髪をたばねて、ジーファーをさした後ろ姿を鏡にみて、ほっと溜息をつきました。
美里さん「ご無理でも、是非欲しいです。
これを身につけると、ほんとに沖縄に生れてよかった。そんな気がして」
私は、一日の始まりに、一日の想いをこめて、髪を解き、結い、かんざしをさした情景を思い出しました。
それは母でした。
私 「限られたなかで、作る時間があれば、それは後を継ぐ者を育てる時間に使いたい。
1本を10本に残すようにしたい。これが今の私の仕事です。」
美里さん「みんながもっと前から日常生活の中に琉球の独自の文化をとりいれていたら、
もっと残っていたのかもしれませんね。
私たちが職人さんが居られない、育たない環境にしたのかもしれません。」
私 「どんなに時代や環境が変わっても、私は代々の技と形、
結び指輪、結びかんざし、房指輪を一個でも多く残さなくては」
これは父が結び指輪をもとに作った結びかんざしです。野に咲く一本の草花のようで、後世に伝えたいものの一つです。
真心ゆくみで 結び指輪(いびがに)や
代々ぬある限り 残しぶさん
母 マカ
ホームページを見てきた美里さんとは初めて会ったのに、まるで10年の知己のように、琉球文化のいろいろ、今どきの流行のいろいろ、話しました。結びかんざしを一本、作ることになりました。
美里さんありがとう
来てくれて
話ができて