父子相伝の道具・その3
『
三本の金槌』
手にしたこの三本の金槌の柄には金細工の歴史が刻みこまれています。
19年の、あの、いまいましい10・10空襲では代々の大小の大道具、小道具すべてが
焼失しました。そのなかでも、この三本だけは六代目・誠睦が無意識のうちに手にして、
難をのがれ、いわば奇跡の道具です。
『
平打ち指輪』
平打ち指輪を作りあげた金槌たちは声なく、父祖代々の家訓を告げました。
『
銀の素材は まっとう正直なものだ
打つ人の心がそのまま形になる
欲をだせば ゆがむ
語りかければ こたえてくれる
自然の草木に見習って 打て 』
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