2009年12月25日

銀、百年目の出遭い

溶解した銀の一盛(ひともり)に風圧を加えて吹きとばしたのが、
笹吹き(ささぶき)と呼ばれる銀の素材。1ミリの円形から3ミリの粒状でどれをとっても異なる
原子的形状と神秘的な光彩をもつものです。
それぞれが地上に二つとない、小さな存在と生命のささぶきたちに
800度の熱を加える瞬間、思わず襟を正し、
自然に対して敬虔な想いをいだくものです。

やがて一粒一粒が千度の炎の中で溶け出し、
こんもり盛りあがる鮮烈な黄金色の融合物になります。

銀、百年目の出遭い



それを鋳型に流した角の原型を打ち出し、打ち延ばし、打ち丸め、四角から八角
そして六角錐にしたのが、銀のジーファー(かんざし)です。


銀、百年目の出遭い




今年の秋、千葉県から玉城善子さんという方が工房を訪ねて来ました。
そしておもむろに鞄から一本のジーファーをとり出しました。


銀、百年目の出遭い
見た目にも古く、ひと昔、ふた昔前の
金細工(かんぜーく)秘話を物語りたげな風情の
ジーファーでした。







思わず
これ、どうしました?どうして、ここに?

私は銀の100年のロマンを見ました。
そして<100年目の出遭い>を私、私の工房すべてが迎えることになりました・・・・
次回は、銀、その百年のロマン。


それでは最後になりましたが、メリークリスマス!!



Posted by 風音 at 16:26│Comments(1)
この記事へのコメント
ブログ再開楽しみしてましたよ、今年の1月3日家族三人でお伺いしてからずっと気になっていました、今年もお伺いしますどうぞ宜しくお願いします。
Posted by タムラ at 2009年12月26日 22:57
 
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